2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「妻の貌」 監督/川本昭人

「妻の貌」(08)の監督・川本昭人さんは、広島在住のアマチュアとして自身の家族を半世紀以上撮影し続けている。それらの映像を元に既に何本かの短編を発表しており、「妻の貌」はその集大成として妻キヨ子さんを中心に再編集されたものだ。 二人は昭和19年…

猫科のけだもの

向田邦子『眠る杯』(講談社文庫)に、こんな文章があった。 それでなくても猫科のけだものが好きで、いい年をして動物園へゆき、ライオンや虎、チータ専門にのぞいてくるという人間だから 向田邦子は、どうやら猫派だったらしい。 なんとなく分かる気がする…

『沖縄映画論』四方田犬彦、大嶺沙和編 (2008年、作品社)

訳あって ここ2、3日、沖縄のことばかり考えている。 極めつけに、この本だ。 沖縄の登場する映画について 私が感じていたかすかな疑問が 方向性としては あながち間違いではないらしいことが分かったものの、 なんとも複雑な思いにもさせられた。 『沖縄映…

「ヘンね。自分ではタフなつもりでも、やっぱり傷つく」『プリシラ』(1994年)監督・脚本/ステファン・エリオット、出演/テレンス・スタンプ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ガイ・ピアース

<TSUTAYAが選んだ名作100選>にも入った名作。 映画館に見にいったことが懐かしい。 公開当時は淀川長治さんも生きていたんだよなあ。ああ。 ところで今回見返して発見があったのはエンドロールだった。 <CAST>ではガイ・ピアースやテレンス・スタンプな…

読み取るドキュメンタリー、押し付けるドキュメンタリー

大好きな横川シネマ!で、ドキュメンタリーを3本見る。 「土徳」「妻の貌」そして監督のトークショーがあった「精神」。 「妻の貌」は、広島在住のアマチュアによるもの。 細かな説明は次回にするが 葬儀や通院といった 多くの場合「悲しそう」と思われる場…

 誰も一人にしてくれない

行く前に小耳にはさんでいたけれど、 モロッコは本当に一人になれない場所だった。 一人旅だったこともあるだろうが、どこに行っても声をかけられるし誰かがついてくる。 その都度意思表明し、あしらったり断ったりしないといけない。 周りに流されていると…