「人生は要約できねえんだよ」伊坂幸太郎『モダンタイムス』

『ゴールデンスランバー』と同時期に書かれていて、確かにテーマが似ている。 でも、最初と最後を考え、連載しながら間を埋めていったという書き方からか なんとなくいきあたりばったりな感じが なきにしもあらず。 もちろん、面白くてぐんぐん読んでしまっ…

『フィンランド語は猫の言葉』

先日、稲垣美晴著『フィンランド語は猫の言葉』(講談社文庫/絶版)を再読。 今から20年前に渡芬(トフン。確かに香しい響き! ちなみに芬=フィンランド)した著者が、 フィンランド語の習得をする様子を書いた留学体験記+フィンランド文化記だ。 この本、…

猫科のけだもの

向田邦子『眠る杯』(講談社文庫)に、こんな文章があった。 それでなくても猫科のけだものが好きで、いい年をして動物園へゆき、ライオンや虎、チータ専門にのぞいてくるという人間だから 向田邦子は、どうやら猫派だったらしい。 なんとなく分かる気がする…

『沖縄映画論』四方田犬彦、大嶺沙和編 (2008年、作品社)

訳あって ここ2、3日、沖縄のことばかり考えている。 極めつけに、この本だ。 沖縄の登場する映画について 私が感じていたかすかな疑問が 方向性としては あながち間違いではないらしいことが分かったものの、 なんとも複雑な思いにもさせられた。 『沖縄映…