読み取るドキュメンタリー、押し付けるドキュメンタリー
大好きな横川シネマ!で、ドキュメンタリーを3本見る。
「土徳」「妻の貌」そして監督のトークショーがあった「精神」。
「妻の貌」は、広島在住のアマチュアによるもの。
細かな説明は次回にするが
葬儀や通院といった 多くの場合「悲しそう」と思われる場面で
大仰で いかにも「悲しそう」な曲が流れるのが妙に新鮮だった。
この場面が悲しいのかどうかを見る側に判断させてくれないのだな思ったと同時に、
見かたとはこうして作られるのだと、改めて感じた。
それは「精神」を見るにあたって
想田和弘監督の前作「選挙」を前日に見返していたせいもあるだろう。
想田監督のドキュメンタリーには
ナレーションやテロップ、音楽が一切ない。
それゆえ見る人の解釈に任される部分が多いのだ。
だから、「精神」を見ていた時は常に考えていた。
ここに写っているものは誰か?何か?何なのか?
両極端なドキュメンタリーを一挙に見てしまった。
確かに、いくら読み取る余地を残していたとしても
誰かの手で作られたものには誰かの主観が現れる。
肝要なのは、リテラシーということか。
その意味で「妻の貌」は面白い。
私は見ていて憤ってしまったが、
この映画を褒める言葉は どれもひどくキレイで正義だ。
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