チャップリン日和


今、伊坂幸太郎の『モダンタイムス』を読んでいる。
電車の中で立って読むには多少つらい大きさと厚さと重さだけれど、
出がけに雨が降っていたから持ってきた傘もあって ちょっとかさばるけれど、
問題なし。
なぜなら、特別版、だから(昨日参照)。
今日読んでいる箇所では、そのものずばりチャップリンの『モダンタイムス』が登場した。


モダンタイムス。


小学生の頃テレビで見た。
チャップリンを見ようと思ったきっかけは、単なる背伸び。
有名な映画らしいし、作ったのがすごい人らしいし、知っていると良さそうだと思って。
実際、めちゃくちゃ面白かった。
他の作品も見た。お腹を抱えて笑った。感動もした。でも何より、切なかった。


私が見たチャップリンの映画の中で一番好きなのは、「サーカス」。
これもかなり笑えるコメディだけれど、終わり方が哀しい。
映画の最後、チャップリンは好きな女の人のためにサーカスを離れる。
女の人の幸せを考えて 自分を思いを諦めたチャップリンの行動は間違っていないけれど。でもでも。
なんとも言えない気持ちが胸の中にこみ上げてきて、知った。
「これが 切ないっていう 気持ちなのか」


チャップリンってすごい、と思ったのと
映画ってすごいと思った、
最初の記憶。


重たい本をバッグにおさめて、電車を降りて、映画を観る。



-鈴木卓爾傑作短編集
面白かった! びっくり!
横川シネマのサイトの言葉を信じて、大正解。
『種を蒔いたのは、ばあば?』『男の子はみんな』は 絵画で言えば「異時同図法」!
新鮮だなああああ。
『ケーキを食べたのはだあれ』も切ないしさ。

『男の子はみんな』で、「チャップリンのまね」といってボールをぽんぽんするシーンが出てくる。
あ。「チャップリンの独裁者」だ。



-「私は猫ストーカー
猫好きな私なのに、今ひとつ……。
多分、この映画の前に見た短編が面白かったせいだろう。
ヒロインのハルが好きな男の子と部屋で話すワンカットのシーンで「お!」と思ってしまい、
その驚きを心のどこかで求めちゃったのかなあ。
でも!
猫絡みのところ路地とか街の見つめ方や雰囲気は素敵。
イラストかわいい。
歌、そのまんまだけど、そのまんま加減がよかった。無邪気で。頭に残ります。
猫への近づき方、いつか実践します。


鈴木卓爾の次の作品、ぜひ「監督・脚本」で見てみたい、と
強く強く思いました。



映画館を出て、電車に乗って、気付いた。

傘、映画館に忘れた。