「新日曜美術館」、テーマは中原淳一。


大きな瞳が印象的な少女たちの絵で知られる彼を
「マルチクリエーター」としてとらえ
彼が作り出したもの・残したものが、
社会にどのような影響を与え いかに今に受け継がれているのか、を
まとめていた。


19歳の時に 作っていた人形が認められ
銀座松屋で個展を開いた、というから 才能のほどがわかる。
これを作る19歳、恐るべし。と 思ってしまうほど
人形は独特な雰囲気を持っていていた。


画家であり、ファッションデザイナーであり、
編集者であり、と さまざまな顔を持ち、
戦後すぐに 女性向けの雑誌「それいゆ」などを創刊して
自ら編集・執筆し...


あれ? こういう人、他にもいなかったか?


今回の番組のような切り口で中原淳一を紹介されると
私はある人を 連想せずにいられなかった。


花森安治


彼も、絵を書き、服をデザインし、様々な顔を持ち、
戦後 すぐに女性向けの雑誌「暮らしの手帖」を創刊し、編集と執筆を行った。


様々な才能を持ち、
自ら創刊した雑誌の 表紙を描き文章を書きレイアウトし
まるごと全て自分でつくってしまう。
中性的な顔立ちも 似ていると思う。
けれど
何よりの共通点は、二人が美しいものを愛していたということ。
花森安治は大学では美学科に属していたし、
中原淳一もまた 美しいものを愛し描いた。


番組では 花森安治のことは まったく触れられなかったのが
なんだか ちょっと
不自然に思えてしまいました。


対象としている層は違えど、
日本で戦後女性たちに 美しさや豊かな生活を教えたのは
美しいものを愛する二人の男性だった、というのは
ちょっと面白い。