カッコ良さには理由がある。 「ヤング@ハート」

面白い! 
ドキュメンタリーは面白いものが次々上映されますが、
これもまた期待を裏切りません。


登場するのは、75歳から93歳(撮影当時)までの老人たち。
彼らは、「ヤング@ハート」というコーラス隊を組み、
今もアメリカ各地で講演しています。
しかも、彼らが歌うのは、
クラシックやスタンダードなスローナンバーかと思いきや、
ジェームズ・ブラウンラモーンズ
プリンス、コールドプレイなどなど。
とにかく、パワフルでカッコいい!
メンバーが 舞台で歌い踊り声を張り上げる 元気いっぱいの姿には、
「どこにそんなチカラが?」と驚かされ
拍手を送りたくなってしまいます。


しかし、素晴らしいのは
彼らは単に楽しんでいるだけではないこと。
来たるライブのために いくつかの新曲にチャレンジするのですが、
曲が難しかったり、うまく歌えなかったりして
練習が すんなりとは進まない姿も映されます。
曲をやめる? 歌い手を変える?
そしてもちろん、大人である彼らは、歌わないという選択だってできる。
まとめ役の男性の厳しい言葉に、反抗することだってできる。
でも、彼らは努力して壁を乗り越えます。
それは、いままでも恐らくそうだったのでしょう。
そこから生まれる新たな歌が、
見る人の心を より高揚させます。
老いてなお、新しいことに取り組み成長していく姿を見せられることこそ、
この映画の何よりも美点だと感じました。
だからこそ、見ている人に訴えるものがあるのだと思います。


密着したのは6週間と言うことですが、
その短い中でも 実にいろいろな出来事が起こります。
108分という長さもちょうど良し。
途中のPV映像も、やたらにイカしてます。
これを劇映画化せず、あくまでドキュメントとして制作した点も
個人的には好感を持ちました。


外さない良作を見たい方に、おすすめです。
公式サイトでは 歌の試聴もできます。


http://youngatheart.jp/index.html