『しあわせのかおり 幸福的馨香』2008年 監督/三原光尋 出演/中谷美紀、藤竜也


台所を片付け、友人が帰ってからDVDを見る。


そう。この映画の本編を見る前に見た 予告だけで
私は 泣いてしまったのだった。

「一生懸命に生きようとしているあの子に 何を言うんですか!」

と叫ぶ、藤竜也に、
「そうだっ 一生懸命生きてるんだよう その子はっ」と。
そこに自分を重ねあわせて。よく分からないくせに。おこがましい。


でも、本編では泣けなかったな。


私にとってのこの映画のピークは、ヒロインが仕事を辞め料理の教えを乞うために店にきたところと
「あなたはこれから幸せになる」と 料理の師匠に言われた時、だった。
要するに、前半。
90分くらいで たたたっと作られていると 良かったように思う。
原作を変えた部分が 裏目に出ている感じ。
ラストカットと 料理のシーンが あんまりにも よかったので、本当に惜しい。
クライマックスで作る料理に、もっと感動したかった。


けれど、特に 料理のシーンは、映し方や 音がとっても良くて 出色。
料理を売りにしている先行作に 全く負けてない。もしかしたら勝ってる(最後のディナー以外は)。
丁寧にテーマが扱われていることに 好感は持った。
本当に惜しい。



...台所を片付けたばかりなのに、
熱した油に 溶き卵をたっぷりと入れて
柔らかい炒り卵を 作りたくなった。
とろとろ の。


しあわせのかおり [DVD]

しあわせのかおり [DVD]

料理シーンは、本当にいい。