『悪い男』『鰐』『サマリア』『うつせみ』


キム・ギドク監督をまとめて。
私はマイノリティが描かれる物語が好きなのだろうと思う。
他の映画ではあまり見られない人が出てくるキム・ギドク監督の映画が
私は好きだ。
「もっと やってくれ」と思う。


キム・ギドク監督には 川も登場するけれど 刑務所のシーンも多い。
なんだか刑務所ばっかり 見ている感じがする。
なんでかなあと思ったら 応えは簡単だった。
登場人物が 犯罪を犯すからだ。
犯罪を犯して愛する人ばかり。


『うつせみ』のしゃべらなさ、意表をつくストーリーに、にじむユーモアと
まるで見る人まで共犯者になったような結末が 好きだ。
『悪い男』は
筋書きだけ抽出すれば かなりまっとうな恋愛ものなのに
それを背徳や逸脱、不道徳極まりない要素で構成していることが面白い。
ちまたにうようよしている、純愛物へのアンチテーゼのようにも思えた。
サマリア』もいい。
ラストの川の色が ひどく美しい。


もっと やってくれ。