『ジェネラル・ルージュの凱旋』

もうすぐ公開される(広島では まだなのですよ)『フィッシュストーリー』について きちんと書きたいと思ったので
その前に中村義洋監督の前作を見ておこうと、
最終日に『ジェネラル・ルージュの凱旋』を見に行く。
1200円になるレイトショー狙い。


21時のスーパーにも、人はいる。
スーパー入り口近くのベンチで横になっている男性は これからどこに行くのだろう。


映画館で料金を払うと
「だいぶ空いてますが、お席はどこがよろしいですか」と聞かれる。
レイトとはいえ私を含め観客が3人というのは、多いのか少ないのか。


ジェネラル・ルージュの凱旋』。
前作の『チーム・バチスタの栄光』は 原作を変えまくった挙げ句の失敗だった。
今作『ジェネラル・ルージュの凱旋』は
その変更をどう処理したのかと思っていたのだけれど
なんということはない。そのまま、でした。


ありますよね、増築を重ねた旅館。
本館の隣に新館を作って、しかもその新館は本館よりも低くなったところに作ったものだから
本館の1階と新館の3階が 渡り廊下でつながっていたり、
新館7階にいるのに どう頑張っても2回エレベーターに乗って本館を一度通らなければ
同じ新館地下2階にあるはずの内湯に行けなかったりする、摩訶不思議な旅館。
段差のある場所が増えたため使い勝手はよくないし、宿泊客からは「道に迷った」という苦情がくるけれど、
もう直そうと思ってもどう直せばいいのか分からず
「でもまあ、うち お湯はいいから」と そのまま放置で
下手すれば 更なる増築(改築ではない)が施されそうな旅館。


そんな映画だった。


良くも悪くも堺雅人演じるジェネラル・ルージュのキャラが立ち過ぎで、
阿部寛演じる厚生省の役人が今回も活きてない。
そもそも『チーム・バチスタの栄光』で
本当は男性だったはずの役を女性にして竹内結子をあてたところから おかしかったのだ。
奇妙な“バディもの”の原作の良さが消されているし、逆に原作の良かったところって そこに尽きるのに。
しかも、肝心の役人の変人さが 映画ではそれほどでもない。
けれどあくまで 改築はなく、今回も増築したため こんなことに。
ああっ 中村義洋監督をかばいたい。でも これでは かばえないっ。


原作が未見なので あくまで印象ですが、
トリアージは 映画のような状況では
適当な行為ではないと思うのだが どうでしょう。


映画が終わると 24時過ぎ。
駅前には意外と人がいた。ベンチで寝ている人は いなかった。